TOP > 公益法人と一般法人の税務

公益法人の税務処理の徹底解説

新公益法人税制のフレームワーク



非営利型法人の要件

非営利性が徹底された法人 共益的活動を目的とする法人
  @会員の相互の支援、交流、連絡その他の会員に共通する利益を図る活動を行うことをその主たる目的としていること。
A定款に、その会員が会費として負担すべき金銭の額の定め又はその金銭の額を社員総会もしくは評議員会の決議により定める旨の定めがあること。
B主たる事業として収益事業(法人税法上の収益事業)を行っていないこと。
@定款に剰余金の分配を行わない旨の定めがあること C定款に特定の個人又は団体に剰余金の分配を受ける権利を与える旨の定めがないこと。
A定款に、解散したときはその残余財産が国若しくは地方自治体又は次に掲げる法人に帰属する旨の定めがあること
   (イ)公益社団法人又は公益財団法人
   (ロ)認定法5十七イ〜トまでに掲げる法人
D定款に解散したときは、その残余財産が特定の個人又は団体に帰属する旨の定めがないこと。但し、次に掲げる法人へ帰属することは認める。
 (イ)国若しくはは地方公共団体
 (ロ)公益社団法人又は公益財団法人
 (ハ)認定法5十七イ〜トまでに掲げる法人
 (ニ)類似の目的を有する他の一般社団法人若しくは一般財団法人
B定款の定めに反する行為(特定の個人又は団体に特別の利益を与えることを含む)を行うことを決定し、又は行ったことがないこと
(この要件を欠落し普通法人になってしまったら、その後非営利型法人に復活できないので要注意)
E特定の個人又は団体に剰余金の分配その他の方法により特別の利益を与えることを決定し、又は与えたことがないこと。
(この要件を欠落し普通法人になってしまったら、その後非営利型法人に復活できないので要注意)
C理事及びその配偶者又は3親等以内の親族その他理事と特殊の関係のある者である理事の合計数の理事の総数のうちに占める割合が3分の1であること。
(理事には、使用人以外の者で経営に従事しているもの「みなし役員」を含む)
F理事及びその配偶者又は3親等以内の親族その他理事と特殊の関係のある者である理事の合計数の理事の総数のうちに占める割合が3分の1であること。
(理事には、使用人以外の者で経営に従事しているもの「みなし役員」を含む)
※社団法人だからといって「共益的活動を目的とする法人」しか選択できないということはない。どちらのタイプの法人を選択してもよい。
特例民法法人が非営利型法人もしくは普通法人に該当するようになった場合は、税務署に異動届けを提出する。


公益社団・財団法人の税制

当該法人内部の課税関係

法人税 寄付金税制
(当該法人が他に寄付を支出した場合)
利子に係る
源泉所得税
公益認定法 公益目的事業 収益事業
法人税法 非収益事業 収益事業
(34事業)
収益事業
(34事業)
それ以外 みなし寄付金 他の特定公益増進法人に対する寄附金
(一般法人に対する寄附金限度額とは別枠)
公益社団・財団 非課税 非課税 法人税課税
(30%)
非課税 @とAの大きい額
@所得の金額の50%相当額
A収益事業に属する資から
公益目的事業のために支出した金額・・・・
所得金額×5% 非課税
非営利型一般法人 非課税 法人税課税
(30%)
法人税課税
(30%)
非課税 なし 所得金額×5% 課税
一般社団・財団 法人税課税
(30%)
法人税課税
(30%)
法人税課税
(30%)
法人税課税
(30%)
なし (所得金額×5%+資本金等の額×0.25%)×50% 課税
特例民法法人 非課税 法人税課税
(22%)
法人税課税
(22%)
非課税 所得の金額の20%相当額 (所得金額×5%+資本金等の額×0.25%)×50% 非課税

※収益事業範囲の見直し

  • (除外)一定の要件を満たす国家資格に関する試験事務等を技芸教授業の範囲から除外
  • (追加)労働者派遣業
  • (追加)外洋小型船舶の操縦の教習として行う技芸教授にかかる除外措置の廃止
※法人税率 年間所得金額が800万円以下の金額までは22%(但し、平成23年3月31日までに終了する事業年度まで18%)

当該法人に対する寄附金税制

寄付金を支出した法人 寄付金を支出した個人 個人が含み益のある現物を寄付(贈与・遺贈)した場合の譲渡所得 相続・遺贈により取得した個人が、その財産を相続税の申告期限までに法人に贈与した場合の相続税
(上段)受入社団・財団が特定公益増進法人の場合 (上段)受入社団・財団が特定公益増進法人の場合
(下段)受入法人が特増以外の場合 (下段)受入法人が特増以外の場合
公益社団・財団 (所得金額×5%+資本金等の額×0.25%)×50% 次のいずれか低い方の金額 − 5千円= 寄附金控除額
イ その年に支出した特定寄附金の合計額
ロ その年の総所得金額等の40%相当額
非課税(措置法40条)

(認定が取り消された場合は、寄付者個人ではなく寄付を受けた法人で課税)
非課税(措置法70条)
ー(公益社団・財団はすべて特増) ー(公益社団・財団はすべて特増)
非営利型一般法人 完全非分配法人 (所得金額×5%+資本金等の額×0.25%)×50% 次のいずれか低い方の金額 − 5千円= 寄附金控除額
イ その年に支出した特定寄附金の合計額
ロ その年の総所得金額等の40%相当額
非課税(措置法40条)

(認定が取り消された場合は、寄付者個人ではなく寄付を受けた法人で贈与税等の課税(法人税等は控除))
相続税課税
(所得金額×2.5%+資本金等の額×0.25%)×50% 控除なし
共益法人 (所得金額×5%+資本金等の額×0.25%)×50% 次のいずれか低い方の金額 − 5千円= 寄附金控除額
イ その年に支出した特定寄附金の合計額
ロ その年の総所得金額等の40%相当額
譲渡所得課税 相続税課税
(所得金額×2.5%+資本金等の額×0.25%)×50% 控除なし
一般社団・財団 (所得金額×5%+資本金等の額×0.25%)×50% 次のいずれか低い方の金額 − 5千円= 寄附金控除額
イ その年に支出した特定寄附金の合計額
ロ その年の総所得金額等の40%相当額
譲渡所得課税 相続税課税
(所得金額×2.5%+資本金等の額×0.25%)×50% 控除なし
特例民法法人 (所得金額×5%+資本金等の額×0.25%)×50% 次のいずれか低い方の金額 − 5千円= 寄附金控除額
イ その年に支出した特定寄附金の合計額
ロ その年の総所得金額等の40%相当額
非課税(措置法40条)

(認定が取り消された場合は、寄付者個人ではなく寄付を受けた法人で課税)
(現物寄付を受けていた特例民法法人が公益財団または一般財団へ移行する場合は、一定の要件下で非課税措置を継続適用可)
非課税(措置法70条)
(所得金額×2.5%+資本金等の額×0.25%)×50% 控除なし

収益事業課税(法人税法上の収益事業)

法人税法上の収益事業とは、法令で定める34の特掲事業を継続して事業場を設けて行われるものをいう。
限定列挙 収益事業に該当 非収益事業
1 物品販売業 @農作物等をそのまま、又は加工を加えて直接不特定多数の者に販売
A通常「物品」と言わない動植物や切手、印紙、物品引換券等も含まれる。
B特定の物品の備蓄事業
C学校法人で正規の授業以外のための参考書等の販売
D学校法人が行う文房具、教材、用具の販売(但し利益が僅少のものは除く)
E学校法人等が行う制服、制帽等の販売
F自動販売機の手数料
G販売業者からの謝礼金

@自己の栽培、採取、捕獲、飼育、繁殖、養殖した農作物等をそのまま、又は加工を加えて特定の集荷業者に販売
A有価証券や手形の売買
B会員に有償で物品頒布を行っている場合でも、それが当該物品の用途、頒布価額などからみて、もっぱら会員からその事業規模などに応じて会費を徴収する手段として認定される場合
C学校給食法その他指定された法令に基づく物品の販売
D宗教法人におけるお守り、御札、おみくじ等の販売で実質的に花捨と認められるもの
E学校法人の行う正規の授業の教科書、参考書、問題集等の販売
F学校法人の行う年1〜2回のバザー販売
G児童福祉施設の児童の給食用の輸入脱脂粉乳の販売
2 不動産販売業 @土地、建物等を不特定多数の者に反復・継続して譲渡すること
A販売用ではない遊休自己物件であっても、造成、区画割りして分譲する場合は原則として収益事業に該当。
(但し、当該土地が相当長期間(10年以上)に保有されていた場合のキャピタルゲイン部分は課税対象とされない)
@特定法人の行う不動産販売
A学校法人等が教育用の固定資産として保有しているものであり、また区画形質等の変更をして分譲をするものでない限り、保有期間が10年未満のものが含まれていても販売行為とは言えない。

※特定法人とは下記のものを言う
  1. 社員総会における議決権の総数の2分の1以上の数が地方公共団体により保有さていれる公益社団法人又は法別表第二に掲げる一般社団法人
  2. 拠出をされた金額の2分の1以上の金額が地方公共団体により拠出をされている公益財団法人又は法別表第二に掲げる一般財団法人
  3. 社員総会における議決権の全部が(1)又は(2)に掲げる法人により保有されている公益社団法人又は法別表第二に掲げる一般社団法人
  4. 拠出をされた金額の全額が(1)または(2)に掲げる法人により拠出をされている公益財団法人または法別表第二に掲げる一般財団法人
3 金銭貸付業 @不特定又は多数の者を対象とした貸付に限らず、特定の者又は少数の者を対象とした場合にも該当する。当該法人の組合員又は会員等の構成員だけを対象とした福利厚生的な貸付であっても、継続して貸し付けられている場合には収益事業に該当する。 @組合員、会員等の拠出に係る資金を主たる原資とし、当該組合員、会員を対象とした金銭の貸付けで、その貸付金の利率がすべて年7.3%以下であるときは、収益事業の金銭貸付業に該当しない。
A北方領土問題対策協会、中小企業退職金共済事業団又は特定業種退職金共済組合、中小企業事業団、特定退職金共済団体、農業者年金基金、自動車事故対策センター、新エネルギー・産業技術総合開発機構及び民間都市開発推進機構が法律にもとづいて行う特定の金銭貸付業以外の金銭貸付業。
4 物品貸付業 動植物その他通常物品といわないものの貸付業。  次の事業は課税対象から除かれる。
@土地改良事業団体連合会が会員に対して行う物品貸付業。
A特定法人が農業者団体等に対し農業者団体等の行う農業又は林業の目的に供される土地の造成及び改良並びに耕うん整地その他の農作業のために行う物品貸付業。
B小規模企業者等設備導入資金助成法第14条に規定する貸与機関が設備貸与事業として行う設備の貸付業。

旅館や遊技所等の施設内において使用される物品の貸付けは、旅館業や遊技所業の付随業務とみられ、独立した業種とはみられない。
5 不動産貸付業 土地や建物を貸すことの他に、店舗の一画を他の者に継続的に使用させるいわゆる「ケース貸」及び広告等のために建物の屋上、壁面等を貸付ける行為も含む。
(業者に売店等を委託し売上高の一定割合を使用料として収受する場合は不動産貸付業に該当する。)

(注)不動産貸付業と倉庫業、席貸業、遊戯所業又は駐車場業との違いは下記の通り
@不動産貸付業
貸付の対象となる不動産の全部又は一部の管理を当該不動産の利用者に移す。
A倉庫業
不動産管理権が所有者に残存。
B席貸業
不特定または多数の者に対して娯楽、遊興又は慰安のための席貸。
C遊戯所業
野球場、テニスコート、ゴルフ場、射撃場、釣堀、碁会所等の遊戯所を設け、他の者にその施設を貸し付ける。
D駐車場業
駐車場に適した土地若しくは建物の貸付。
 次の事業は課税対象から除かれる。
@特定法人が行う不動産貸付業。
A日本勤労者住宅協会が業務として行う不動産貸付業。
B社会福祉法人が事業として行う不動産貸付業。
C宗教法人又は公益社団法人若しくは公益財団法人が行う墳墓地の貸付業。
D国または地方公共団体に対し直接貸し付けられる不動産の貸付業。
E主として住宅の用に供され、かつその貸付業が低廉であるなど大蔵省令で定める要件を満たしている土地(建物は含まない)の貸付業(@からBまで及びDに掲げる不動産貸付業を除く。)
F民間都市開発推進機構が業務として行う不動産貸付業。
G独立行政法人農業者年金基金が業務として行う不動産貸付業
H食品流通構造改善促進機構が業務として行う不動産貸付業。
I商工会及び商工会議所が基盤施設事業として行う不動産(小規模事業者に貸し付けられるものとして一定のものに限る。)の貸付業。
J独立行政法人中小企業基盤整備機構が業務として行う不動産貸付業。
6 製造業 電気又はガスの供給業、熱供給業及び物品の加工修理業を含む。
自ら栽培等により取得した農作物等であっても製造場、作業場等の施設を設けて、出荷に最小限必要とされる簡易な加工の程度を超える加工を加え、または取得した農作物等を原材料として製造して卸売する場合には、収益事業の製造業に該当する。
 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構が魚無として行うものは課税対象から除かれる。
7 通信業 @他人の通信を媒介・介助する事業。
A通信設備を他人の通信の用に供する事業。
B多数の者によって直接受信される通信の送信を行う事業。

(注)公衆電話の手数料も含む。
 
8 運送業 自動車、船舶、航空機等の運輸交通手段を利用して、貨物または旅客の運搬をすることであり、さらに、貨物の集荷、運送の取次ぎなどを行う運送取り扱い業も含まれる。(運輸大臣の許可とは無関係) 通園又は通学のための手段として利用されるスクールバス。
9 倉庫業 @寄託を受けた物品を保管する業務(手荷物、自転車の預り業及び保護預かり施設による物品等の預り業)
A貸金庫、貸ロッカーは物品貸付業。
駐車場業に該当するものは倉庫業から除かれる。
10 請負業 役務の提供を約し、その結果に対して、報酬を受けること
下記の業務も含む
@事務処理の委託
A調査、研究、情報の収集及び提供
B検査、検定(物品の規格品質又は数量の検査、検定)
C手形交換、為替業務
 次の事業は課税対象から除かれる。
@法令の規定に基づき国または地方公共団体の事務処理を委託された法人の行うその委託に係るもので、その委託の対価がその事務処理のために必要な費用を超えないことが法令の規定により明らかなことその他一定の要件に該当するもの
A土地改良事業団体連合会が会員または国若しくは都道府県に対し事業として行う請負業
B特定法人が農業者団体等に対し農業者団体等の行う農業又は林業の目的に供される土地の造成及び改良並びに耕うん整地その他の農作業のために行う請負業。
C学校法人がその設置している大学に対する他の者の委託を受けて行う研究に係るもの(研究実施期間が三月以上のもの並びに委託契約又は協定において研究の成果の帰属及び公表に関する事項が定められているものに限る。)

【実費弁償による事務処理等】
@その業務が法令の規定、行政官庁の指導又はその業務に関する規則、規約若しくは契約に基づき実費弁償(注)により行われるものであること。
(注)委託者から受ける金額が業務のために必要な費用の額を超えないこと
Aおおむね5年以内の期間を限って、所轄税務署長の確認を受けたこと。
11 印刷業 @書籍、雑誌、新聞その他の印刷物の印刷を請け負うことを指しますが、謄写印刷業、タイプ孔版印刷業及び複写印刷業などが含まれ、印刷の種類、方法は問わない。
A学生生徒から各種のコピーを請け負っている場合。
 
12 出版業 @書籍、雑誌、新聞等の出版のほか、各種の名簿、統計数値、企業財務に関する情報などを印刷物として作成し、これを販売する事業が含まれる。
(注)他の者が出版する出版物の編集、監修等を引き受ける事業は、出版業には該当しない。
A出版物の対価を会費等の名目で徴収せいていると認められるときには、次のように取扱う。
イ.会員から出版物の対価を徴収しないで、別に会費を徴収している場合には、その会費のうち、その出版物の代価に相当する金額を出版業に係る収益とする。
ロ.会員以外の者に出版物を配布し、その代価を徴収しないで、会費等の名目で金銭等を収受した場合には、その収受した金銭等の額を、出版業に係る収益とする。
B機関誌の発行が有料でされ、出版業に該当する場合には、その出版物に掲載された広告は、出版業の付随事業ということになり収益事業に該当する。

(注)新入生募集のための募集要項の販売は、学校事業に付随する行為であるため物品販売業には該当しませんが、過去の入試問題集等の販売は不特定多数の者への販売が目的とされているため物品販売業に該当する。
 次の事業は課税対象から除かれる。
@特定の資格を有するものを会員とする法人がその会報その他これに準ずる出版物を主として会員に配布するために行うもの。
(注)特定の資格とは
特別に定められた法律上の資格(医師、弁護士、会計士、税理士等)、及び特定の過去の経歴からする資格(県人会や同窓会など)その他これに準ずる資格をいう。
A学術、慈善その他公益を目的とする法人がその目的を達成するため会報をもっぱらその会員に配布するために行うもの。
13 写真業  写真業には、他の者の撮影した写真フィルムの現像、焼付け等を行う事業が含まれる。  
14 席貸業 次ぎに掲げるものに限る。
@不特定または多数の者の娯楽、遊興または慰安の用に供するための席貸業
A@以外の席貸業で右の非収益事業以外のもの。

(注)
イ.美術展や写真展、書道展、バザール等のショッピングなどの「展覧会等」も含む。
ロ.体育館やテニスコートを休日等に一般の人に利用させて使用料を徴収する場合も含む。(利用目的を問わない)
 収益事業に含まれるものAに掲げる@以外の席貸業のうち、次のものは課税対象から除かれる。
@国、地方公共団体の用に供するための席貸業。
A社会福祉事業として行われる席貸業。
B学校法人若しくは専修学校及び各種学校又は職業訓練法人がその主たる目的とする業務に関連して行う席貸業。
C法人がその主たる目的とする業務に関連して行う席貸業で、その法人の会員その他これに準ずる者の用に供するためのもののうち、その利用の対価の額が実費の範囲を超えないもの。
(例)商業系の学校が商工会議所に検定試験場として席貸する場合をいい、当該試験が広く公開され他校生等も出席するような公開模試会場の席貸は収益事業に該当する。
15 旅館業 @旅館業には、下宿営業のほか、旅館業法による旅館業の許可を受けないで宿泊させ、宿泊料を受ける事業が含まれる。
A宗教法人が宿泊施設を有し、信者または参詣人を宿泊させて宿泊料を受けるような行為は、旅館業に該当する。
@学生又は生徒の就学を援助することを目的とする公益法人等の経営する学生寮については、固定資産税が非課税とされる条件を満たしている場合には、旅館業に該当しないこととなっています。なお、固定資産税が非課税となる条件とは、地方税法施行令第51条の8に揚げられている次の諸条件である。
イ.専ら学校教育法第1条に規定する学生生徒を宿泊させる目的の施設であること。
ロ.居室の床面積の合計を宿泊定員で除して得た数値が15uをこえないものであること。
ハ.寮費等入居の対価が月当たり20,000円を超えないこと。
ニ.当該寄宿舎の全部又は一部が旅館業法でいう旅館業の用に供されていないこと。

A学校法人が専ら会員の研修その他主たる目的とする事業(収益事業に該当する事業を除く)を遂行するために必要な施設として設置した宿泊施設で以下の条件を満たす経営の場合には、収益事業たる旅館業には該当しない。
イ.その宿泊施設の利用が、その法人の主たる目的とする事業の遂行に関連してなされること。
ロ.その宿泊が多人数で共用する構造及び設備を主とするものであること。
ハ.宿泊料の額がすべての利用者につき一泊1,000円以下(食事を提供するものについては2食付で1,500円以下)であること。
16 料理店業その他飲食店業 自ら調理をして飲食物の提供をするもののほか、他の料理業者が調理した飲食物の仕出しを受けて提供するものも含まれる。  学校法人がその設置する小学校、中学校、盲学校等において、学校給食法等の規定に基づいて行う学校給食の事業は、学校教育の一環として行われるため、ここでいう収益事業たる「料理店業その他の飲食店業」にはあたらない。
17 周旋業 商行為以外の行為の媒介、代理、取次等を行う事業
 (例)不動産仲介業、債権取立業、職業紹介所、結婚相談所等
 
18 代理業 商行為の代理を行う事業
 (例)保険代理店、旅行代理店等
 
19 仲立業 商行為の媒介を行う事業
 (例)商品売買、用船契約または金融(手形割引を含む)等の仲介又はあっせん
 
20 問屋業 自己の名をもって他の者のために売買その他の行為を行う事業(いわゆる取次業)
 (例)商品取引員、出版取次業(物品売買業に該当するものを除く)、広告代理店等
 
21 鉱業 @鉱業には、請負契約により探鉱、坑道掘削、鉱石の搬出等の作業を行う事業が含まれる。
A自らは鉱業権者又は租鉱権者としての登録は受けていないが、鉱業権者又は租鉱権者である者との契約に基づいて鉱業経営に関する費用及び損失を負担し、採掘された鉱物(その鉱物に係る収益を含む)の配分を受けることとしているため、実質的に鉱業を営んでいると認められる場合における、その事業が含まれる。
 
22 土砂採取業 土石採取業についても、鉱業と同様とする。  
23 浴場業 浴場業には、いわゆるサウナ風呂、砂湯等の特殊浴場業が含まれる。  
24 理容業 理容学校を経営する学校法人等が、理容所を設けて利用サービスを提供している場合には、たとえ、そのサービスの提供が教育実習の一環として行われるものであり、かつ、その理容学校が技芸教授業に該当せず、非課税事業となる場合であっても、当該理容学校が併設する利用所は理容業として収益事業に該当する。  
25 美容業 @整髪美容に限らず、マッサージ、パック、美容体操など様々の方法による全身美容サービスを含む。
A美容学校を経営する公益法人等が美容所を設けて不特定又は多数の者に対して美容サービスの提供を行っている場合には、次の(ア)及び(イ)に関わらず、その美容サービスの提供は美容業に該当する。
  (ア)その美容サービスの提供は、教育実習の一環として行われるものである。
  (イ)美容学校における技芸の教授が、非課税とされる美容の教授に該当する。
 
26 興行業 @映画、演劇、演芸、舞踊、舞踏、音楽、スポーツ、見せ物などを企画、演出又は陳列して、これを不特定多数の者の観覧に供している場合には、興行業として収益事業に該当する。
A興行業には、自らは興行主とはならないで、他の興行主等のために映画、演劇、演芸、舞踊、舞踏、音楽、スポーツ、見せ物等の興行を行う事業及び興行の媒介または取次を行う事業が含まれる。
B常設の美術館、博物館、資料館、宝物館等において主としてその所蔵品(保管の委託を受けたものを含む)を観覧させる行為は、興行業に該当しない。
 学校法人が、興行業を行う場合であっても、次のような一定の要件に該当するものについては、課税対象にならないとされる。ただし、一定の要件に該当するか否かについては、学校法人等が独自で判断することなく所轄税務署長の確認を受けることが必要である。
イ.催物から生ずる純益のすべてが教育又は社会福祉のために支出され、かつ、催物に参加する関係者全員が出演料等の報酬を受けないいわゆる慈善興業。
ロ.学生、生徒、児童のアマチュアを参加者又は出演者とする興行。ただし、その興行収入の相当部分を企業の広告料に依存するものを除く。
ハ.学生、生徒、児童のアマチュアを参加又は出演者とする興行で、その興行のために直接要する会場費、人件費その他の経費の額を賄う程度の低廉な入場料による興行。
27 遊戯所業 公益法人等が興行を目的として集会場、野球場、テニスコート、体育館等を利用する者に対して貸付けを行う場合には、その貸付け事業は娯楽・遊興のための席貸事業として収益事業に該当する。
(その施設の本来の用途に従って利用させること。)
 
28 遊覧所業 遊覧所業とは、展望台、パノラマ、遊園地、庭園、動植物園、海中公園等のように、専ら不特定又は多数の者をして一定の場所を遊歩し、天然又は人口の物、景観等を観覧させる場合における、その事業をいう。  
29 医療保健業 @医療保険業には、療術業、助産師業、看護業、歯科技工業、獣医業等が含まれる。
A一定の血液事業を含む。
 次の事業は課税対象から除かれる。
@日本赤十字社が行う医療保健業。
A社会福祉法人が行う医療保健業。
B学校法人が行う医療保健業。
C全国保健協会、健康保険組合若しくは健康保険組合連合会又は国民健康保険組合若しくは国民健康保険団体連合会が行う医療保健業
D国家公務員共済組合又は国家公務員共済組合連合会が行う医療保健業。
E地方公務員共済組合又は全国市町村職員共済組合連合会が行う医療保健業。
F日本私立学校振興・共済事業団が行う医療保健業。
G社会医療法人が行う医療保健業(附帯業務として行うもの及び収益業務として行うものを除く)。
H公益社団法人等が独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構の委託を受けて行う事業または施設の運営若しくは管理に係る医療保健業。
I公益社団法人等で、結核に係る健康診断及び医療を行い、かつ、これらの医学的研究(その研究につき国の補助があるものに限る。)を行うもののうち法人格の異にする支部を含めて全国的組織を有するもの及びその支部であるものが行う当該健康診断及び予防接種に係る医療保健業。
J公益社団法人等が行うハンセン病患者の医療(その医療費の全額が国の補助によっているものに限る。)に係る医療保健業。
K公益社団法人若しくは公益財団法人で専ら学術の研究を行うもの又は法別表第二に掲げる一般社団法人若しくは一般財団法人で専ら学術の研究を行い、かつ、研究を円滑に行うための体制が整備されているものとして一定のものがこれらの学術の研究に付随して行う医療保健業。
L一定の地域内の医師または歯科医師を会員とする公益社団法人又は法別表第二に掲げる一般社団法人で、その残余財産が国又は地方公共団体に帰属すること、法人の開設する病院または診療所が地域内のすべての医師又は歯科医師の利用に供されることとなっており、かつ、診療報酬の額が低廉であることその他一定の要件に該当するものが行う医療保健業。
M一定の医療施設を有していること、診療報酬の額が低廉であることその他一定のよう金に該当する法別第二に掲げる農業協同組合連合会が行う医療保健業。
N公益社団法人等で看護師等の人材確保促進に関する法律の規定による指定を受けたものが、訪問看護の研修に付随して行う医療保健業。
O@からNまでに掲げるもののほか、残余財産が国又は地方公共団体に帰属すること、一定の医療施設を有していること、診療報酬の額が低廉であることその他一定の要件に該当する公益法人等が行う医療保健業。
30 技芸教授業 @「技芸の教授」には、自らは技芸の習得に関する教授を行わないで、技芸に関する免許の付与等のみを行う行為が含まれる。
A「免許の付与その他これに類する行為」には、卒業資格、段位、級、師範、名取り等の一定の資格、称号等を付与する行為が含まれる。
B技芸の教授若しくは免許の付与等の一環として、又はこれらに付随して行われる講習会等は、たとえ一般教養の講習をその内容とするものであっても、「技芸の教授」に該当する。
C洋裁、和裁、着物着付け、編物、手芸、料理、理容、美容、茶道、生花、演劇、演芸、舞踊、舞踏、音楽、絵画、書道、写真、工芸、デザイン(レタリングを含む。)、自動車操縦若しくは小型船舶の操縦の教授(通信教育による技芸の教授及び技芸に関する免許の付与その他これに類する行為を含む。)のうち、右の@及びBからDまでに掲げるもの以外のもの。
D学校の入学者を選抜するための学力試験に備えるため若しくは学校教育の補習のための学力の教授(通信教育による学力の教授を含む。)のうち、右のA及びBに掲げるもの以外のもの。
E公開模擬学力試験を行う事業。
 収益事業に含まれる技芸の教授(免許の付与等を含む。)又は学力の教授を行う事業であっても、次に掲げるものは課税対象から除かれる。
@学校教育法に規定する学校、専修学校又は各種学校において行われる技芸の教授で一定のもの。
A@に規定する学校、専修学校又は各種学校において行われる学力の教授で一定のもの。
B社会教育法の規定により文部科学大臣の認定を受けた通信教育として行う技芸の教授又は学力の教授。
C理容師法又は美容師法の規定により厚生労働大臣の指定を受けた施設において養成として行う技芸の教授で一定のもの並びにその施設に設けられた通信過程に係る通信及び添削による指導を専ら行う法人のその指導として行う技芸の教授。
D技芸に関する国家試験の実施に関する事務(国家資格付与事務)を行う者として法定において定められ、又は法令に基づき指定された法人が法令に基づき当該国家資格付与事務として行う技芸の教授で、次のいずれかの要件に該当するもの。
(ア)その対価の額が法令で実費を勘案して定めることとされているものであること又はそのために必要な費用の額を超えないと見込まれるものであること。
(イ)国の行政機関の長又は地方公共団体の長以外の者で当該国家資格付与事務を行う者が、公益法人等又は一般社団法人若しくは一般財団法人に限られていることが法令で定められているものであること。
31 駐車場業 駐車場業には、駐車場所としての土地の貸付が含まれる。 不動産貸付業には非課税規定があるが、駐車場業にはそれがない。
32 信用保証業 @低廉保証料の判定
A非課税とされる信用保証業に定める保証料の額が年2%以下であることの要件については、保証契約ごとに、保証契約において定められているところに基づいて判定する。
B通常徴収する保証料の額は年2%以下であるが、一定の条件に該当するときは年2%を超えて保証料を徴することとしているときは、その保証契約に係る保証料は、同項に定める要件に該当しないことに留意する。
 次の事業は課税対象から除かれる。
@信用保証協会法その他の法令の規定に基づき行われる信用保証業。
A@に掲げる信用保証業以外で、その保証料が定額であることその他一定の要件を満たすもの。
33 無体財産権の提供等業 工業所有権その他の技術に関する権利又は著作権(出版権及び著作隣接権その他これに準ずるものを含む。)の譲渡又は提供を行う事業に限る。  次のものは課税対象から除かれる。
@国又は地方公共団体(港湾法の規定による港務局を含む。)に対して行われる無体財産権の提供等。
A独立行政法人宇宙航空研究開発機構、独立行政法人海洋研究開発機構その他特別の法令により設立された法人で一定のものがその業務として行う無体財産権の提供等。
Bその主たる目的とする事業に要する経費の相当部分が無体財産権の提供等に係る収益に依存している公益法人として一定のものが行う無体財産権の提供等。
34 労働者派遣業 自己の雇用する者その他の者を、他の者の指揮命令を受けて、その他の者のために他の者の行う事業に従事させる事業をいう。  

非収益事業

たとえ、第一次的に収益事業に該当しても、例外的に収益事業とみなされない事業
区  分 内         容
公益目的事業  公益社団法人又は公益財団法人が行う収益事業のうち、公益目的事業に該当するもの。
身体障害者従事割合の判定  公益法人等が行う収益偉業のうち、その事業に従事する次に掲げる者がその事業に従事する者の総数の半数以上を占め、かつ、その事業がこれらの者の生活の保護に寄与しているもの。
@身体障害者福祉法に規定する身体障害者。
A生活保護法の規定により生活扶助を受ける者。
B児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター又は精神保健指定医により知的障害者として判定された者。
C精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている者。
D年齢65歳以上の者
E配偶者のない女子であって現に児童を扶養しているもの又は寡婦。
母子福祉団体等の貸付金の貸付けに係る事業  母子福祉団体が行う事業のうち、貸付けの対象となる母子福祉団体の事業で、次に掲げるもの。
@母子福祉団体に対する貸付金の貸付けに係る事業のうち、その貸付けの日から貸付金の最終の償還日までの期間内の日の属する各事業年度において行われるもの。
A公共的施設内において行われている事業
保険契約者保護機構が業務として行う事業  保険業法の保険契約者保護機構が業務として行う事業
実費弁償による事務処理の受託等  公益法人等が事務処理の受託の性質を有する業務を行う場合であっても、次に掲げる場合には、収益事業としない。
@その業務が法令の規定、行政官庁の指導又はその業務に関する規則、規約若しくは契約に基づき実費弁償(注)により行われるものであること。
 (注)委託者から受ける金額が業務のために必要な費用の額を超えないこと。
Aおおむね5年以内の期間を限って、所轄税務署長の確認を受けたこと。

法人間の移行税制

特定普通法人から公益法人等への移行

  特定普通法人 移行日 公益法人等
パターン 全所得課税である一般社団・財団法人 定款変更日 収益事業課税の非営利型法人
公益認定日 公益社団法人・公益財団法人
取り扱い 移行日の前日に解散   移行日に設立
欠損金 繰り戻し還付可能   繰越欠損金は引継ぎ不可
繰り戻し還付も不可
減価償却 改定償却年数(改定償却率) 改定償却年数(改定償却率)
交際費の定額控除 400万円×解散事業年度の月数/12月 400万円×当事業年度の月数/12月
寄付金損金算入限度額
(非営利型一般法人)
(期末資本金等の額×解散事業年度の月数/12月×0.25%+所得金額×2.5%)×1/2
(平成23年度改正前)
(期末資本金等の額×解散事業年度の月数/12月×0.25%+所得金額×5%)×1/2
(平成23年度改正前)
(期末資本金等の額×解散事業年度の月数/12月×0.25%+所得金額×2.5%)×1/4
(平成23年度改正後)
(期末資本金等の額×解散事業年度の月数/12月×0.375%+所得金額×6.25%)×1/2
(平成23年度改正後)
中小法人の軽減税率適用所得金額 800万円×解散事業年度の月数/12月 800万円×解散事業年度の月数/12月
特別勘定 国庫補助金・保険差益にかかる特別勘定は全額取り崩す    
貸倒引当金 前期末引当金残高は全額戻しいれ
当期末引当金残高は繰り入れ不可
  貸倒実績率は、移行日の属する事業年度以後の
事業年度のみ合算
返品調整引当金 繰り入れ不可   返品率は、移行日の属する事業年度以後の
事業年度のみ合算
長期割賦販売に
かかる収益・費用
延払基準により繰延べられていた収益・費用は
全額を益金および損金に算入する
   
一括償却資産 一括償却資産残額を一括して損金算入する    
資産にかかる
控除対象外消費税額
繰延消費税額の残額を一括損金算入する    
退職給与引当金 法人税法上の退職給与引当金残高は
一括して益金に算入する
   
受取配当金の益金      負債利子の按分計算について、要件具備日の属する事業年度以後の
事業年度のみ合算する。(簡便法は不可)

特定公益法人から普通法人への移行

  特定公益法人 移行日 普通法人
パターン 非営利型法人である一般社団・財団法人
(収益事業課税)
定款変更日 全所得課税である一般社団・財団法人
特例民法法人 移行登記日
公益社団法人・公益財団法人 公益認定取消日
取り扱い 移行日の前日までのみなし事業年度   移行日を期首とするみなし事業年度
「累積所得金額」=簿価純資産−税務上の利益積立金
(法令131の4@)
  収益事業以外の事業から生じた「累積所得金額」
「累積欠損金額」を、移行日の属する事業年度の
益金又は損金に算入する。(法法64の1@)
(調整)  「公益目的財産残額」=
公益目的保有財産(固定資産)−公益目的増減差額(流動資産)
公益認定取消 「公益目的取得財産残額」は益金に算入しない。
(そのかわり公益目的取得財産残額を寄附した場合の
損失は損金に算入しない)

益金に算入すべき金額=簿価純資産−利益積立金−公益目的取得財産残額

法人税法施行令131の5
内国法人が、法第六十四条の四第一項又は第二項の規定の適用を受ける場合において、前項各号に掲げる場合に該当するとき(累積所得金額又は合併前累積所得金額がある場合に限る。)は、同条第一項に規定する収益事業以外の事業から生じた所得の金額の累積額として政令で定めるところにより計算した金額又は同条第二項に規定する収益事業以外の事業から生じた所得の金額の累積額として政令で定めるところにより計算した金額は、前条の規定にかかわらず、当該累積所得金額又は合併前累積所得金額から当該各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を控除した金額とする。この場合において、当該累積所得金額又は合併前累積所得金額から控除しきれない金額があるときは、その控除しきれない金額は、それぞれ累積欠損金額又は合併前累積欠損金額とみなして、同条の規定を適用する。

「修正公益目的財産残額」=
公益目的財産残額+公益目的収支超過額
+資産含み損ー資産含み益(法規27の16の4@)
一般社団・財団 「修正公益目的財産残額」か
「簿価純資産」の少ない金額を
累積所得金額の益金算入額から控除
もっとわかりやすくというご意見にお答えして・・・
公益財団法人
公益社団法人
移行時
一般社団法人
一般財団法人
移行時
累積所得金額=全体簿価純資産+別表5の調整額−別表5の利益積立金期末残高
益金に算入すべき金額=簿価純資産−利益積立金−当初調整公益目的財産残額
益金に算入すべき金額がマイナスの場合は累積欠損金額とみなす
公益目的
支出計画
終了まで
  実施事業 その他会計 法人合計 備考
会計 収益 300 400 700 その他会計はすべて収益事業
費用 340 300 640 実施事業に20、その他会計に30の非損金項目あり
利益 ▲40 100 60   
法人税 益金 300 400 700 その他会計はすべて収益事業
損金 320 270 590 実施事業に20、その他会計に30の非損金項目あり
差引 ▲20 130 110  
支出超過額否認 20 20 「実施事業のマイナス額」と「調整公益目的財産残額」の
いずれか少ない金額は損金不算入(加算)
課税所得 130 130 実施事業の赤字は通算できない
当初調整公益目的財産残額 1500      公益目的財産残額ー評価益(+評価損)
期末調整公益目的財産残額 1460   当初調整財産額から会計上の実施事業のマイナスを控除
ここがポイント
  1. 普通法人に移行したとしても累積所得金額が一括して精算課税されるわけではない。
  2. 全部所得課税を選択したとしても、公益目的支出計画が終了するまでは、実施事業の赤字を損益通算できない。
特定公益法人 移行日 普通法人
欠損金 繰り戻し還付不可 繰越欠損金は引継ぎ可
減価償却 改定償却年数(改定償却率) 改定償却年数(改定償却率)
交際費の定額控除 400万円×解散事業年度の月数/12月 400万円×解散事業年度の月数/12月
寄付金損金算入限度額
(非営利型一般法人)
(期末資本金等の額×解散事業年度の月数/12月×0.25%+所得金額×5%)×1/2
(平成23年度改正前)
(期末資本金等の額×解散事業年度の月数/12月×0.25%+所得金額×2.5%)×1/2
(平成23年度改正前)
(期末資本金等の額×解散事業年度の月数/12月×0.375%+所得金額×6.25%)×1/2
(平成23年度改正後)
(期末資本金等の額×解散事業年度の月数/12月×0.25%+所得金額×2.5%)×1/4
(平成23年度改正後)
中小法人の軽減税率適用所得金額 800万円×解散事業年度の月数/12月 800万円×解散事業年度の月数/12月

公益法人等の中での移動

  公益法人等 移行日 公益法人等
パターン 特例民法法人 移行登記日 公益社団法人・公益財団法人
特例民法法人 移行登記日 非営利型法人
公益社団法人・公益財団法人 認定取消日 非営利型法人
非営利型法人 公益認定日 公益社団法人・公益財団法人
取り扱い 移行日の前日までのみなし事業年度   移行日を期首とするみなし事業年度
収益事業課税 収益事業課税
(法人区分の変更)
欠損金 繰り戻し還付不可 繰越欠損金は引継ぎ可
減価償却 改定償却年数(改定償却率) 改定償却年数(改定償却率)
交際費の定額控除 400万円×解散事業年度の月数/12月 400万円×解散事業年度の月数/12月
寄付金損金算入限度額
(非営利型一般法人)
(期末資本金等の額×解散事業年度の月数/12月×0.25%+所得金額×5%)×1/2
(平成23年度改正前)
(期末資本金等の額×解散事業年度の月数/12月×0.25%+所得金額×5%)×1/2
(平成23年度改正前)
(期末資本金等の額×解散事業年度の月数/12月×0.375%+所得金額×6.25%)×1/2
(平成23年度改正後)
(期末資本金等の額×解散事業年度の月数/12月×0.375%+所得金額×6.25%)×1/2
(平成23年度改正後)
中小法人の軽減税率適用所得金額 800万円×解散事業年度の月数/12月 800万円×解散事業年度の月数/12月